★鎌倉淡水魚紀行★ 神戸川物語(第2話)6月・水辺を踊る若アユ達
鎌倉市の西部を流れる神戸川(ごうどがわ)の川沿いに買物に行く際の裏道があり、その狭さから “けもの道” と勝手に名付けております。自転車同士ですれ違うのはおろか、歩行者同士でも気を使うぐらい狭い道ですが、家からスーパーやコンビニへショートカットで行く事ができ、また車の多い公道を避ける事ができるので近隣の住民にとって欠かす事のできない、いわば生活道路なようなものであります。
また前回のブログ記事(第1話)では、4月に海から遡上した稚アユの様子を書きました。
それから1カ月経ち、稚アユからスクスク成長しその容姿はすっかりアユらしくなり、人間に例えるならエネルギッシュな10代といったところでしょうか。銀色のキラキラした多くのアユ達が神戸川の水辺を賑わしておりました。
若くて元気ピチピチな様子を形容するのに「若鮎のような~」といった表現がありますが、水辺を賑わすアユ達を見れば納得、まさにその通りの光景が見られます。
またアユの食事作法もとてもユニークで、岩に唇を押し付けて付着したコケを削ぎ取って食べる様子が見られます。言葉ではうまく表現できせんが、まるでバターナイフでバターをス~ッっと塗り返したような、滑らかな動きで岩のコケを削ぎ取って食べます。お目当ての苔岩には常に数匹~数十匹のアユが群がっており、時にはその数100匹以上になる事もあります。
苔の生えた岩・・我々人間からすればそれほど魅力を感じませんが、アユ達にとっては最高なご馳走のようです。
眺めているだけでもアユの生態を十分過ぎるほど観察できる神戸川。
アユを知る上でこれ以上に適した場所はなく、毎回私に新たな発見をもたらせてくれます。