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フィッシュナビのブログでは、私と出会う魚や生物、そして鎌倉の身近な自然と季節を日常生活に交えて記事にしております。
普段そこにいる誰もが目にする光景ながらも、(当たり前すぎて)見過ごしがちな素朴なネタを見つけ、そこに秘めた魅力を浮き彫りにしていきたいと思います。自然や魚が相手なので記事の更新は気まぐれ!でもコツコツ地道に発信していきますので、読んでくださった皆様にとって何らかの情報になれば幸いです(月に1回/毎月1日に更新します!)。
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★今月の1枚(2023年12月号)~落ちハモ(旬が2度ある?)~

  • 2023/12/01 21:03
  • カテゴリー:日記

20231130210639.jpg

6月にもハモの記事を書きましたので、過去に読んでくださった方は「デジャヴかな?」と思われるかもしませんね。いいえ2度目のハモ記事です。しかし今回は「魚の旬」について、ハモを交えて語ろうと思います。
そもそも魚の旬について、大衆魚などは魚屋さんに行けばいつでも買うことができますが、実はそれぞれの魚には美味しい時期(旬)があります。何をもって旬とするかは「漁獲対象」と「食対象」では解釈が異なりますが、食に関して言えば、産卵期は身が痩せてしまうので、産卵の逆のシーズンが美味しいというのがセオリーです。もし旬を聞かれた場合、私もそれを基本に話をしております。
これはハモに関しても同様で、ハモの旬は一般的に産卵期で漁獲の多い「梅雨~盛夏」と知られておりますが、実は季節外れの晩秋にも再びハモが姿を現すようになります。このように秋に獲れるハモを「落ちハモ」といい、むしろこちらの方を「本当の旬」といえるでしょう。これは夏の産卵後の旺盛な食欲を満たし、冬ごもりに備え身が肥えて美味しくなるためです。この頃になると体が金色を帯びることから「黄金ハモ」と呼ばれたりもします。

因みに、このハモは重さ5キロ超え、長さ150センチの横綱級のハモです。しかし食に適した(=骨切りができる)ハモはせいぜい1キロ前後で、それ以上のサイズは「規格外」すなわち「価値がないもの」として扱われます(小骨が硬くて食べれないため)。そのためこの巨ハモの行先は、廃棄される一歩手前、最後の砦として安価な練製品(カマボコやはんぺん)の原料に回されるのが現状でした。
そんな負のレッテルを貼られた巨大ハモを救済すべく、私は様々なハモ料理を試作することにしました。そこで分かったのは2つ、巨大であっても身が美味しいこと。そして、ちょっとした型破りな発想で(小骨を避けて)美味しく食べれる方法があることです。これをすぐさまマニュアル化して、漁師さん、魚屋さん、そして料理人の方々にレポートすると、とても関心を持たれ「巨ハモのイメージが変わった」と嬉しい声を頂きました。
このように今まで邪険にされていた魚も「新たな価値」を見出せれば、新たな活路ができるのではないかと私は思っております。

<注意>
活きたハモは獰猛な性格で、触れるものには何にでも噛みついてきますので、取扱いには十分にご注意ください。咬まれたら確実に大怪我します(病院直行必至)。

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