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フィッシュナビのブログでは、私と出会う魚や生物、そして鎌倉の身近な自然と季節を日常生活に交えて記事にしております。
普段そこにいる誰もが目にする光景ながらも、(当たり前すぎて)見過ごしがちな素朴なネタを見つけ、そこに秘めた魅力を浮き彫りにしていきたいと思います。自然や魚が相手なので記事の更新は気まぐれ!でもコツコツ地道に発信していきますので、読んでくださった皆様にとって何らかの情報になれば幸いです(月に1回/毎月1日に更新します!)。
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★今月の1枚(2024年5月号)~モジャコと流れ藻(相模湾)~

  • 2024/05/01 19:13
  • カテゴリー:日記

20240501191229.jpg

この魚は、モジャコ(藻雑魚)といいます。
モジャコは海を漂う「流れ藻」を隠れ家とする「ブリの稚魚」のことで、ちょうど今頃(GW頃)に見られる、いわば季節限定の魚です。
流れ藻とは、海面を漂流する海藻のこと。冬に沿岸域で生茂ったホンダワラやアマモなどの海藻が、春になると枯れて岩からはがれて、結果これらが大量の流れ藻となります。

ブリは出世魚のひとつ。関東では、このモジャコから始まり、ワカシ、イナダ、ワラサ、ブリへと、成長に応じて名前を変えていきます(地域により呼び名が異なります)。
このモジャコは当年生まれのヒヨッ子で、おそらく生後2~3カ月といったところでしょうか、小粒ながらも立派なブリの姿をしております。また体色をみると、全身が茶緑がかった縞模様をしておりますが、これは藻の色に同調し、鳥や大型魚のような天敵(捕食者)から身を守るのに都合がよいのでしょう。同様に流れ藻を利用するカンパチやシイラの幼魚も似たような色をしております。
流れ藻は稚魚にとって安全な環境と多くの餌を提供してくれる、いわばゆりかごのようなものです。こんな小さな流れ藻の中にも様々な生き物が生息しており、まさに食うか?食われるか?の弱肉強食な世界ですが、これらが互いに影響しあいながら絶妙なバランスで生態系が保たれているのですね。

そんなモジャコも夏頃にはもう一回り大きくなり「ワカシ」へと出世、藻場のゆりかごから離れ、群れを作って大海を回遊するようになります。沿岸近場に回遊してくれば、サビキやルアー釣りなど格好なターゲットに、多くの釣人を楽しませてくれることでしょう。

ここでマメ知識を一つ、
養殖ブリの元になるのはこの天然モジャコです。実際にモジャコ漁を専門とする漁師さんがおり、採った活モジャコを養殖業者に売って、出荷サイズにまで育て上げます。養殖魚といえども、まだまだ自然に頼っていることも多々あります(養殖魚あるある話)。そのため、水産資源保護の観点から、県の許可、漁の時期、漁獲量などが厳しく規制されております。

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