★芦ノ湖の釣り★ 自然の教え
- 2016/05/16 18:33
- カテゴリー:芦ノ湖
私にとって “箱根・芦ノ湖のマス釣り” は、私が長年続けている年間行事のひとつであります。
ただ私は箱根に住んでいるわけではないので、常に状況を直に確かめることはできませんが、身近な “自然の教え” をもとに釣りのスケジュールを組立てます。例えば、ウチの近くにある桑の木がその 一つ、いわば私にとって情報屋なようなものです。
1)桑の花が咲く頃、シーズン開始。2)青い実をつける頃、シーズン本番。3)実が熟す頃、シーズン終盤。4)実を落す頃、シーズン終了。
・・といった感じに、教えてくれるのです。もちろん、それら双方に直接的な関係はありませんが、間接的には切っても切れない関係なのです。
また農業においても、春に種蒔きするタイミングの一つとして、山の残雪の形を参考にしていることを聞いたことがありますが、この感覚と非常に似ている。
長年この手の釣りをやってて気づくことは、毎年、毎年、春は訪れるのだけれども、同じ春は一度たりとも存在しないということ。その為、前もってプランを組立てる上での必要な情報は、自身の経験則や自然の便りを駆使しております。
この一連の流れは、たった1か月内の出来事ですが、ただ今年の芦ノ湖の状況は1週間ぐらい早い気がしました。例年ですとまだ行かない時期ですが、今回は “トライアル釣行” と称し、慣れない4月の芦ノ湖に足を運ぶことにしました。この時期ここ箱根での気温は数℃~15℃と寒暖の差が激しく、標高723メートルに位置する芦ノ湖付近では、ちょうどサクラが満開でした。
さて、4月の芦ノ湖を一言でいうと「時期的にはベストシーズンながらも意外に難しい」に尽きます。湖沼学観点でいうと、ターンオーバー(春の外気温が湖水と同じぐらいになり季節風で湖の表層~低層までの水が撹拌される現象/水の性質より)でマスの適水温は広範囲となり、かつ餌となるワカサギも接岸したり沖にいたりでマスが分散しポイントが全く絞れないのです。特に、私のように岸から狙う釣りの場合は、その場でジッと待ち続けるいわば受身的な釣り方なので、その良し悪しが顕著に表れます。大抵はボウズを食らいますが、今日に限ってはいつもと違うようです。
午前中は無風で全く魚の気配なし!仕掛けを投げても、投げても全く反応がなく、もう梨の礫(なしのつぶて)状態でした。ところが、昼頃になると良い南西風が吹き状況は好転!突如、竿を曲げたのは普段なかなかお目にかかれない野生化した大型ブラウントラウトでした。風で湖面が荒れたのでブラウンも警戒心を解き、浅場にまでワカサギを探しに来たのでしょう。
今日はお花見しながらノンビリ釣りでも、という気持ちでしたのでビックリです。もちろん「釣った」ものではなく「釣れた」ものですが、長年やっているのでたまには予期せぬことがあってもいいのかなと。
なぜか本気で挑むよりも、良い結果になってしまったのは微妙な気持ちですが、そこは結果オーライとしときましょ。普段は、大き過ぎる見栄っ張りなクーラーボックスも、今日に限っては大活躍でした。