鎌倉淡水魚紀行(砂押川編)~モクズガニ~
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藻を食べるモクズガニ。
警戒心が非常に強く、人の気配を感じるとすぐに隠れてしまいます。
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盛夏を賑わせたオイカワたちの産卵も終わり、あのお祭り騒ぎから一転。9月に入ると徐々に普段の静けさに戻りつつあります。また連日の雨で川が濁り観察も小休止、今回はお魚以外で、観察の名脇役でもあるモクズガニ(藻屑蟹)について、お話したいと思います。
モクズガニは、市内河川でよく観察できる身近なカニで、特徴的なのは何といってもこのハサミ、まるでチアポンポンをつけているようで面白いです(因みにこれは藻が生えているのではなく地毛です)。そしてこの立派なハサミからして、いかにも凶暴そうに見えますが、実は雑食性(カニは肉食性が多い)で普段は藻などをチマチマ食べております。
モクズガニは、海と川を往来する回遊性のカニで、その生活史はアユと非常に似ております。そのため、秋が深まる頃には(アユと同様)産卵のため海へ下ってしまうでしょう。
これはちょっとした豆知識ですが、このモクズガニは日本古来より食用に利用され、特に「がん汁」などが郷土料理として知られております。私も過去に食したことがありますが、その味は絶品、こんなに美味しいものなのかと。それもそのはず、モクズガニは上海蟹(チュウゴクモクズガニ)の近種で、見た目も味もほとんど同じ、そんなグルメ的な要素も秘めております。