★夏休み企画★ 川エビの生態を観察してみよう(鎌倉市内河川編)
鎌倉の河川には、アユをはじめ、多くのハゼの仲間、ウナギ、モクズガニやエビなどの甲殻類が生息しております。特にこれら生きもの同士に密接な関係はありませんが、共通するのは「海と川を往来すること」で、これらメンバーを目にすることで、ちゃんと海から川に上ってこれてるという証にもなっております。言い換えれば「川で見かける生物ですが、もし海がないと子孫を残すことができない(一部除く)」という意味にもなります。
今回は、夏の川の名脇役である「川エビ」について、お話したいと思います。
初夏の候、水温が20℃を超えるとエビが沸くように発生します。鎌倉で観察できるエビは、大きく分けて3種類、「ヌマエビの仲間」、「スジエビ」、そして「テナガエビ」です。いずれも卵を抱えていることから今が繁殖期なのでしょう(そっと見守ってあげましょう)。そしてよく観察してみると、エビ同士でも力関係があるようで、ヌマエビは植物食性で非常に大人しく、スジエビは雑食性で中性的な感じ、そしてテナガエビは完全肉食性で気性が荒いのが分かります。
川にそっと近づけば、エビ達の団欒している光景をアチコチで見ることができますが、そこに手長エビが迫ってくるっと、ヌマエビやスジエビたちは道を譲るようにスッと退きます。まさにエビの社会性と力関係を垣間見れた瞬間でした。いくら生物の楽園といっても、弱肉強食の世界であることには変わりないようです。