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フィッシュナビのブログでは、私と出会う魚や生物、そして鎌倉の身近な自然と季節を日常生活に交えて記事にしております。
普段そこにいる誰もが目にする光景ながらも、(当たり前すぎて)見過ごしがちな素朴なネタを見つけ、そこに秘めた魅力を浮き彫りにしていきたいと思います。自然や魚が相手なので記事の更新は気まぐれ!でもコツコツ地道に発信していきますので、読んでくださった皆様にとって何らかの情報になれば幸いです(月に1回/毎月1日に更新します!)。
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★相模湾の珍客★ 巨大サヨリ?現る オキザヨリ編

  • 2017/06/30 15:33
  • カテゴリー:日記

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オキザヨリ…名前では “サヨリ” とつきますが、実はダツの仲間。
ダツ科の中でも最大種となり、サイズはどれも1mをゆうに超える大型個体ばかりだ(1本¥300円也)。地元相模湾の定置網に群が入ったそうで、6月に入ると毎日のように魚屋で見かけるようになった。お試しで一本だけのつもりが、あまりの美味さにこの魚の虜に…。それ以降~コストコの巨大保冷バックを持ち歩いてはこのダツばかりを買っているので、いつの間にか魚屋からは “ダツの人”と呼ばれるようになった。

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さすが地元朝獲れだけあって新鮮そのもの。
ウルトラマリン、コバルトブルー、エメラルドグリーン…、様々な美しい青色がここに存在する。ただこの青は時間が経つにつれ退色し消えてしまう。この天然の青色は儚く、有限の美である事を教えてくれる。

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ダツ科の魚は歯や骨も青色であるのが特徴。
ダツの代名詞ともいえる長く延長した両顎、そこには多数の鋭い歯が並ぶ…。ただ本当に恐るべきはこの歯ではなく先端部であって、その先端はとても硬質でまるで槍先のように鋭い。ダツは光に反応して突進してくる習性を持っており、時にはその習性が凶器となり、人間にとっても脅威となる。飛んで突き刺れは致命傷となり、実際には目に刺さり失明したり、時には人命が失われた事故も報告されている。昔、洋上でロウニンアジに追われ海面を飛跳ねながら逃げるダツ群を目撃した事がありますが、その一直線に飛ぶ姿はまるで “生きた槍” のようであった。もしコイツが自分のところに飛んできたら・・・と思うだけでとゾッとする。

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魚屋では「ダツ」で売っておりましたが、正式には「オキザヨリ」といいます。
(オキザヨリも同じダツ科の魚なので、ダツで一括りしても間違いではありませんが…)。
因みに「オキザヨリ」と「ダツ」の違いは?というと、尾ビレ付近を見ると容易に判別することができます。オキザヨリの尾鰭の形状は、二叉形(にさけい)で上葉よりも下葉が方が長く、更に決定的な判別は尾鰭の付根に隆起線(突起)があるもの、これは「オキザヨリ」と判定してよいでしょう(画像を参照)。因みに「ダツ」にはこの隆起線がなく、尾ビレの形状も截形(せつけい)で上葉~下葉が同じ長さなになります。一部 “テンジクダツ” というダツにもこのような隆起線があるので、必ずしもその限りではないですが(非常に似ており私にも分からない)、即席見分け方の一つとしてご参考頂ければと思います。

…で「味」はどうなのか?といいますと、
昔、河口でのスズキ釣りをしていた時に外道として40cm程の小さなダツが釣れ、それを持帰って食した事があります。サヨリの延長と思ったのが間違いであって、とにかく骨の多さに泣かされたのを記憶している。悪評価をするつもりはないが、敢て食べるもんでもないかな…と、わたし個人的には(マイマスイメージとしての)偏見を持っていた魚でした。ただ1mを超える大型オキザヨリに出会った時、この際にもう一度確めてみようと思った次第でした。
三枚下ろしにすると、骨はアバラと血合にある程度で、ここまで大型であれば十分な可食部を得る事ができました。味にクセがあるわけでもなければ、小骨がいっぱいあるわけでもなく、(良い意味で)私の期待を裏切ったのでした。
筋繊維がシッカリしており身は反るぐらい、コリコリ食感と独特の風味を楽しむ事ができます。決して脂のノりを楽しむような魚ではありませんが、刺身でここまで旨いのだから、揚げにしても塩焼きにしてもパーフェクトな魚でした。また日持ちもよく、三枚に下ろしてキッチンペーパーに包み冷蔵庫で保管しておけば1週間は刺身で楽しめます。

実はダツやオキザオリの事については知っているつもりで、何も知りませんでした。
このオキザヨリに関して言えば、昔の魚類図鑑には必ずといっていいほど「美味しくない…」「食用価値が低い…」「食用としない…」と書いてあります。
最近の図鑑では若干 気の利いた表現となり、それでも「流通しない…」「決して不味くはない…」「認知されていない…」といった感じでしょうかね。

“ 百分は一見にしかず ” …自分で経験して初めて分かる事があり、ここ近年はそう思わせる事例が多々ありました。つまりインターネットやメディアだけではアテにならない事も良く分かりました。
わたし個人的には、純粋に「美味しい」と評価した魚でした。 “旬の地魚” として大いに認知してほしい魚のひとつで、他にもこのような魚はいっぱい存在していると思います。
世間的には大衆魚や高級魚以外の魚は冷遇される傾向がありますが、その評価の基準やあり方はもっと多様化されてもよいのでないかと思った次第でした。

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