★鎌倉淡水魚紀行★ ~ウキゴリが上ってきたよ~(夏到来)
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ウキゴリ(稚魚)の群れ。小粒で地味な魚ですが、これが訪れると夏本番を実感します。
鎌倉の川にカメラを向けていると、多くの方がそれにつられて川を覗きます。興味もって声をかけてくださる方には、もれなく私の解説付き(おまけ)!ささやかなお土産話になれば幸いです。
そんな私も自然から教わることが多々あり、今回は魚が教えてくれる「夏の訪れ」について、お話したいと思います。
暦(こよみ)の上で夏至(6月21日)を過ぎた頃、砂押川をはじめ市内河川に「ウキゴリ」というハゼが一斉に海から上がってきます。大きさは柿ピーほどの小粒で、一見他のハゼと混同しがちですが、ウキゴリは中層を浮遊していることで区別がつきます(通常ハゼは川底にベタっとはりついている)。因みに「ゴリ」というのは、地方で小さなハゼの総称として使われ、それが浮遊しているから「ウキゴリ」であると、何とも単純なネーミングです(実はそれが正式名称になっております)。
そしてゴリに纏わるお話をもう一つ、それは「ゴリ押し」という言葉の由来です。
物事を無理に押し通すという例えで使われますが、これはゴリを網に追い込む「ゴリ押し漁」の様子からきております。
市内河川での人気を二分するアユやオイカワのような華やかさはありませんが、様々な魚からの教えを知ることで、お魚観察の深みがより増していくのかなと思っております。