★今月の1枚(2025年1月)~正月飾り(手作り)~
- 2025/01/01 20:04
これは「ゾウリエビ」というセミエビの仲間です。味はイセエビに勝るとも劣らない美味しさですが、知名度が低く市場には殆ど流通することがない、いわば地元消費のエビです。
しかしこの個性的なフォルムが私は大好きで、多くの突起で装飾されたオシャレな甲殻は、まさに芸術といえます。
そんなエビを美味しく食べていると、ふと「このエビ殻をつかって正月飾りにしてみよう」と思い立ったのでした。
「正月飾り」は、年末に大掃除をしたキレイな家に「とし神様」をお迎え・オモテナシするために飾る縁起物で、正月飾りに代表されるのは「門松」「しめ飾り」「鏡餅」の3種類がよく知られております。
今はどこのお店でも多種多彩な正月飾りが売られておりますが、昔は家々で作っていたことを遠い記憶で思い出します。そこで今一度「日本の正月」について理解を深めるべく、昔ながらの正月飾り(しめ飾り)を一から作ってみることにしました。
1)しめ飾り(しめ縄)のタイプ
しめ縄のタイプは、その地域や文化、土地の気候風土によって様々です。今回は関東で主流な「玉飾り」タイプを作り、そこに華やかに装飾する縁起物たちを上からカンタンに紹介していきます。
2)水引き
封印や魔除けの意味があり、人と人を結びつけるという意味も持ちます。
3)千両(赤色の実)
縁起の良い植物で「富」「繁栄」「商売繁盛」などを意味します。
4)稲穂
ご想像の通り「豊作」を願うものですね。
5)橙(だいだい)
橙という名前は「代々」の字をあてており「代々栄える」という縁起が込められています。
6)裏白(うらじろ)
シダ植物の仲間で裏面が白いので、心が清らかであることを表します。
7)ゆずり葉
新しい葉が出てから古い葉が落ちるので、親から子へ代々譲られ子孫繁栄を表します。
8)海老
海老は、その見た目の「曲がった腰」と「長いひげ」が長寿を表し、慶事に適している食材です。
9)昆布
こんぶは「よろこぶ」の語呂合わせで、別称(広布(ひろめ)とあわせ「慶びをひろめる」となり、大変めでたい縁起物。
10)紙垂(しで)
紙垂は神様の降臨を表します。
その他、長寿の象徴である「鶴・亀」、長寿・成長・気高さの意味をもつ「松・竹・梅」、末広がりを意味する「扇」、難を転じる「南天」、豊作を意味する「ホンダワラ」、その他 語呂合わせでよいものなど、それら縁起物も地域・土地・風土などによって様々存在します。
まとめ
「ゆく年」と「くる年」を結ぶ正月飾り、縁起物あつめで気づいたのは、それらが思いのほか容易に調達できたことです。縁起物とは決して特別なものではなく、身近なものであるのだと認識しました。
そんな正月飾りも、関東では7日に取り外し(地域により異なる)、15日頃には「どんど焼き」で燃やして、歳神様をお送りすることになります。
時代が進むにつれて、必要ないもの、面倒なものはどんどん消えて、より合理化・簡素化になり、とても便利な世の中になりました。しかし同時にちょっとだけ「便利」に対する怖さや寂しさを感じたりもします。
たまには昔に振り返り、古き良き日本の文化に(自分なりに)触れてみるのも悪くないし、そこには新しい発見があり、私自身がよい勉強になりました。